「信州百名山ガイドブック」という本を見ていたら、国師岳のページ に何故か川上犬が載っていた。狩猟が生活の糧だった時代には活躍した 犬のようだが、狩猟の衰退と第二次大戦中の撲殺令によって数が激減し、 その後の保存活動によってようやく数十頭レベルまで増えてきた犬であ る。それが、林業総合センター「森の交流館」にいて、直接触れて遊ぶ こともできるらしい。犬好きのかみさんがそれを放っておくわけがない。 それに、川上村といえばレタスに代表される高原野菜ということで、村 の標高も高い。ということは、川上村は松本平よりは涼しいだろう。と いうことで、「川上村行こう」ということになった。
松本平は、今日も暑くなりそうな気配だ。茅野から麦草峠を越えて松 原湖に出て、そこから少し南下して海ノ口から川上村に入るというのが 行きのルート。涼しさを期待して出発。
茅野の市街地から国道 299号を少し登ったところに「ベルグランド」 という菓子屋がある。実体は岡谷にある「ヌーベル梅林堂」という菓子 屋で、ケーキも焼菓子も素朴だけれど結構うまい。久々に寄ってみるこ とにする。焼菓子もケーキも若干ラインナップが変わっているように感 じたが、かみさんはお気に入りのシュークリーム、私は初めて見るケー キ "ケーキくるみやまびこ" を選ぶ。シュークリームは相変わらずのお いしさだ。"くるみやまびこ" はキャラメルムースを主体として中にく るみが入ったケーキだったが、おいしいんだけどちょっと奇を衒い過ぎ た感があるかな。焼菓子の "くるみやまびこ" のイメージにはちょっと 遠かったかも。
さらに登っていくと、いわゆる「蓼科高原」と言われるエリアになる。 ここにちょっと気になっていたパン屋「Epi」 があるので寄ってみる。 ちょうど昼前で、しかも日曜日。カップルや高原リゾートっぽい女性グ ループで狭い店内は結構賑わっていた。そういった客層を意識してか、 パンのラインナップもデニッシュ系が多い。私の目当ては雑穀パン。写 真で見るイメージは結構うまそう。その他に今日の昼食分としてベーコ ンエピなど買い込む。
麦草峠は標高 2120m、かつては日本の国道の最高地点だった峠である。 今は最高地点を渋峠に譲ったものの、標高が変わるわけでもなく、登る に従ってどんどん涼しくなってくる。空も澄んだ青色で、なかなか気持 ちがよい。下界へ下りたくなくなってしまうほどだ。頂上付近で自転車 の集団にあう。以前は私も何回か自転車で登ったことのある峠だが、今 は体力体重比が非常に悪化していてとても無理。峠を過ぎ、結構車で埋 まっている白駒池の駐車場を横目で見ながら松原湖に下る。松原湖も今 日は素通り。
国道 141号まで下りてくると、やっぱり暑い。海ノ口から川上村方面 への県道に入る。このあたり一面、いわゆる高原野菜の畑が広がってい る。川上村はレタスで有名なのだが、確かにレタス畑が多い。林業総合 センターは役場の隣らしいので、役場を探しながら進む。そこら辺にい る犬が皆川上犬ではないかと思えてくる。
役場は信濃川上の駅よりも更に西に入った大深山の集落にあり、林業 総合センターもすぐに見つかった。しかし、そこに来ているのは私達だ け。食堂施設も営業しているようなのだが、土曜の昼でこの状態では大 丈夫かな、と思ってしまう。中は、一階は林業関係の若干の展示があり、 林業関係の道具類や森林鉄道の運材台車などがあった。小学校の教材に 使われているのではないかな、とも思われた。二階が食堂施設「樹木里」 である。ここで昼食にしよう。メニューを見ると蕎麦がメインのようだっ たが、この時期蕎麦粉の味が非常に落ちている時期なので蕎麦は秋まで お預け。もう一つ郷土料理として載っていた "梁越まんじゅう" を注文 する。「20分位かかりますが」ということなので、これからこねて焼く みたいだ。
子供を階段や材木の周りで遊ばせているうちに、梁越まんじゅうがで きて運ばれてきた。思ったよりも小さい。パンを買い込んできてよかっ た。食べてみると、味噌と生姜の風味が効いていて、具は何も入ってい ないのだがなかなかおいしい。そば粉100%を丸めて焼いて作ったそばお やきとは、また違った趣きがある。本体だけでも十分味噌の風味がする のだが、それにさらに味噌を塗ってあるので妙に思うが、ややしょっぱ さも感じるがバランスが崩れるほどではない。これはおやきの原形の一 つかもしれないなあ、と思う。
先程買ったパンも、ここで食べる。
【雑穀パン】 ライ麦の癖が抑えられているのかあまり感じられず、雑穀っぽさもそ れほど感じない。パン自体はおいしいのだが、私は物足りなさを感じて しまう。が、この手のパンを初めて食べる人にはいいかもしれない。
【ベーコンエピ】 ベーコン周りに粒マスタードが塗ってあるのがアクセントになって、 結構おいしい。値段的に見てもなかなかいいかも。
【ブルーベリーパン】 生地は普通かなあ。「ふわふわ感」を追求しすぎて本来持たせるべき 味を見失っているような気がする。でも、確かに女性受けを狙った向き かもしれん。
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| ベーコンエピとブルーベリーパン | 雑穀パン |
食べおわってから、川上犬のいるところに行く。「樹木里」のスタッ フしか見当たらなかったので聞いて見ると、「元気が良すぎて、外へ出 ようとして突進してくるので、扉を開けるときだけ注意して」というこ と。外に出てしまうと収拾がつかなくなるのだそうだ。扉のところに行 くと、二頭の犬がこっちを眺めて集まってきた。外に出てこないように さっさと扉を開け閉めして犬のいる中庭に入る。と、すぐに犬が飛びつ いてきた。特に何もしなければ噛みつかれることはないので、適当に川 上犬とじゃれる。子供は飛びつかれたり追いかけられて恐がるかと思っ たが、そんなこともなく犬とじゃれて遊んでいる。川上犬は非常に警戒 心の強い犬だということを聞いたことがあるが、こうも人懐っこいと何 だか妙な感じがする。それに、よくよく見てもそこらにいる普通の駄犬 とあまり変わりないようにも見える。でも、天然記念物川上犬である。
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しばし犬と戯れて、また犬が出てこないように気をつけて中庭から建 物に戻る。川上犬さようなら。また会いに来よう。信濃川上の駅に寄っ てみると、バス停にも川上犬の絵が描いてあった。村のシンボルとなっ ているようだ。
小海線沿いの農道を使って野辺山に出る。仕事が終ったのか、トラク タの列が畑から帰って行く。今は収穫期なのだろうか。収穫期のレタス 農家は、早朝というよりは深夜から収穫の作業を始めて、それが終って も畑の手入れやら何やらをやっている。大変なことである。それがあっ て我々がレタスを食べられるわけであるから、大いに感謝である。
野辺山から清里、大泉村経由で小淵沢に抜けるが、思ったより車の動 きは多くなかった。小淵沢を通ったので閉店間際の「桑の実」に寄って みるが、商品は売れてしまったのかほとんどなかった。国道20号で諏訪 に出て、久々の「くるみ」で夕食にする。これまでなかなか食べられな かった玄米定食を、今日初めて注文することができた。玄米のごはんは、 「ごぱん」の玄米定食と同じような感じかなあ。なかなかおいしい。私 が諏訪に住んでいて時々食べに来ていた頃とは、定食のラインナップが ちょっと変わっていたけれど、おいしい、ということには変わりがない なあ。また来よう。
家のあたりに来てみると、やっぱり川上村は涼しかったなあ、と感じ た一日だった。